シノペックのイネオス工場の生産時期が下半期の第3四半期と第4四半期に延期されたため、2024年上半期には中国におけるポリエチレン生産能力の新規投入はなく、上半期の供給圧力は大幅に上昇していない。第2四半期のポリエチレン市場価格は比較的堅調である。
統計によると、中国は2024年通年で345万トンの新規生産能力を増強する計画で、主に華北地域と西北地域に集中している。新規生産能力の生産予定時期は第3四半期および第4四半期に延期されることが多く、これにより通年の供給圧力が緩和され、6月のPE供給増加の見通しも緩和される。
6月の国内PE業界への影響要因については、国のマクロ経済政策は依然として景気回復、消費促進などの優遇政策を主に重視していました。不動産業界における新たな政策の継続的な導入、家電、自動車などの業界における新旧製品の交換、金融緩和政策などの複数のマクロ経済要因は、強力なプラスサポートを提供し、市場心理を大幅に押し上げました。市場商人の投機への熱意が高まっています。コスト面では、中東、ロシア、ウクライナの地政学的政策要因が持続しているため、国際原油価格は小幅上昇すると予想され、国内PEコストのサポートが増加する可能性があります。近年、国内の石油化学生産企業は大きな利益損失を被っており、短期的には石油化学企業の価格引き上げ意欲が強く、コストサポートが強くなっています。 6月には独山子石油化工、中天合創、中韓石油化工などの国内企業がメンテナンスのための操業停止を計画しており、供給が減少した。需要面では、6月は中国のPE需要の伝統的な閑散期である。南部地域の高温多雨の増加は、一部の下流産業の建設に影響を与えている。北部のプラスチックフィルムの需要は終了したが、温室フィルムの需要はまだ始まっておらず、需要側には弱気な見通しがある。同時に、第2四半期以降のマクロプラス要因に牽引され、PE価格は上昇を続けている。末端生産企業にとっては、コスト上昇と利益損失の影響で新規受注の積み上げが制限され、一部の企業の生産競争力が低下し、需要の支えが限られている。

上記のマクロ経済要因と政策要因を考慮すると、PE市場は6月に好調なパフォーマンスを示したものの、末端需要への期待は弱まっている。川下工場は高価格の原材料の調達に慎重になっており、市場取引への抵抗が大きく、価格上昇をある程度抑制している。PE市場は6月は当初好調に推移し、その後弱含みで推移すると予想され、ボラティリティの高い展開となるだろう。
投稿日時: 2024年6月11日